〜武蔵は負けた・・〜

第54回センバツ 2回戦

TEAM

 

 

明 徳(高 知)

 

 

箕 島(和歌山)

 

 

10

11

12

13

14

 
 
 
 
 

TOTAL

 
 
 
 
 

2×

 
 
 
 
 

明 徳

×弘田 − 武田

箕 島

○上野山− 住吉

二塁打

藤本(明徳)

三塁打

江川、杉山、木戸、泉(以上、箕島) 梶原(明徳)

明徳

箕島

守備

学年

名前

打数

得点

安打

打点

三振

四死

犠打

盗塁

失策

堀 尾

小 谷

清 水

藤 本

弘 田

矢 野

打9

国 沢

下 崎

武 田

広 瀬

打5

梶 原

守備

学年

名前

打数

得点

安打

打点

三振

四死

犠打

盗塁

失策

江 川

杉 山

岩 田

走6

前 田

南 村

山 田

住 吉

畑 山

走7

木 戸

上野山

藤 本

村 田

投手

回数

打者

投球

安打

三振

四死

失点

自責

弘田

13回1/3

56

174

13

5

5

4

3

投手

回数

打者

投球

安打

三振

四死

失点

自責

上野山

14回

56

217

14

4

5

3

3

1.松田監督の談話
試合終了後、明徳の76歳松田監督がさらりと言った言葉が、「武蔵は負けた・・・」だった。監督生活35年、その間の甲子園出場は20回。2度の準優勝..     

輝かしい経歴が、松田監督に涙を許さなかった。「宮本武蔵が小次郎に負けちゃったんですなぁ。もう時代が変わっちゃったのかもしれんなぁ..」           

76歳。興奮の余韻は少しも残さず、シワだらけの表情に笑いを浮かべて名セリフを吐いた。                                    

監督だけではない。選手も涙はなかった。監督の普段からのしつけだという。

インタビューのお立ち台で老将は最後に「冥土のみやげに優勝の勲章が欲しい。夏にはもっと強いチームを率いてくる」と残し、ゆっくりと杖を前に進めた。         

2.ハイライト

センバツ史上に残る死闘、名勝負でした。追いつかれたらすぐに突き放す明徳も素晴らしかったですが、箕島ナインの不屈の闘志がそれを上回りました。

この試合の3年前の夏、春夏連続優勝を果たした偉大な先輩たちが3回戦の星稜戦で、取られれば取り返し、とうとう延長18回、サヨナラ勝ちして3時間50分の激闘をものにした大熱戦を再現したような見事な粘りでした。  


◆13回表

明徳、この回先頭の9番:梶原が左中間を破る2塁打で出塁。堀尾がサード前に犠打 を決め、1死3塁。小谷四球後に清水がサード前にスクイズを決め先制。なおも、一 死2塁で藤本が中越三塁打で2点目。

◆13回ウラ                                  

箕島、先頭の1番:江川が投ゴロで一死も、杉山の中前打と岩田の1,2塁間の内野 安打で1死1,2塁とするも南村が三ゴロで2死2,3塁。ここで泉が左中間に2塁 打を放ち同点。

◆14回表                                   

明徳、この回先頭の6番:国沢、下崎と連続四球。武田は遊内野安打で無死満塁。梶 原が左飛も、3塁ランナー国沢は自重。一死後、堀尾が中前に弾き返し3−2と勝ち 越しも、2走の下崎が本塁タッチアウト。

◆14回ウラ                                  

箕島、住吉が中飛で一死から木戸が中越2塁打で出塁、代打:藤本を出すも三ゴロ。 これを明徳三塁手がエラー。江川四球で1死満塁とし、杉山の三塁線を抜けるヒット で二者が生還し、サヨナラ。


いつもベンチでニコニコとスマイルを浮かべる尾藤監督も延長に入ってからは笑顔も消えた。それもそのはず、延長に入ってからは笑顔も消えるほどのピンチの連続だった。選手には「気力で負けてるぞ」とハッパをかけ続け、「14回には星稜戦の事を考えた」というセンバツで3回、選手権で1回箕島を優勝させた名将。試合後は「私の足りない分を選手がカバーしてくれた」と選手を讃えてました。すでに名物監督となっていた尾藤監督はこの時39歳。名物監督にまた一つの奇跡が付け加えられた。


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